番組審議会
第687回番組審議会
委員によるレポート提出(社側回答有り)
新型コロナウイルス感染拡大防止の為、臨時的措置として合評形式より変更
委員の氏名
委員総数 7名
レポート提出委員 7名
委員の氏名
委員長 海老塚和秀
副委員長 清原 泰治
委 員 渡部 淳
森澤 孝道
布 多恵
亥角 理絵
天野 弘幹
社側回答
報道制作局長 竹島 章記
ラジオ制作担当部長(現)
苅田 将彦
合評対象
*高知放送制作テレビ番組
「日本のチカラ 壁に願いを
~安らぎのホスピタルアート~」
放送日時 5月10日(日)5:45~6:15
概要
◇番組への意見・感想等(提出レポートを要約)
*見た後に心に柔らかい余韻が残る番組だった。ホスピタルアートの説明をはじめ、番組の主人公である小笠原さんの県内外の作品の数々を紹介するとともに、その制作の現場を追い、さらには本人はもとより医療従事者の側や患者の側からもホスピタルアートがもつ力が語られるなどていねいに作られた番組という印象をもった。長引くコロナ禍で人々が心を傷つけている今、この番組は多くの人に安らぎと癒やしをもたらすものになったと感じられるし、ポストコロナの社会を考える上で多くの意味をもつ番組になったと思う。
*「日本のチカラ」は各局良い番組作りをしているが、今回は特に良かった。全体に使っている言葉が「ほっこり」していて、出てくる人達の表情も柔らかかった。そういう言葉や表情が出てくるのも小笠原さんの絵が持つ力であると共に、撮り方や編集の力なのだろう。高知に小笠原さんのような人がいる事も「高知のチカラ」なのだと思う。
*主人公が「ホスピタルアート」に出会うまでの前提がコンパクトに紹介されていて、番組全体が分かり易かった。活動の様子や評判もバランス良くまとめられていたと思う。医療と我々との関係のあり方を考えさせられる番組でもあった。
*「ホスピタルアート」は、一般にはあまり知られていない分野なので新鮮さを感じた。それがどのように病院の空気を変えるのか一目で分かるように視聴者に提示できるのはやはりテレビの強みだ。夢にあふれたアートをどのようにして次々に生み出しているのか、もっと深く内面に迫ってほしかった。また、この番組はいくつかの地域で長期にわたり取材しているので、時系列の整理がもう少し必要だったのではないか。
*「穏やかな日常」が少し遠くへいってしまった感のある今日この頃、この番組に救われた気がする。番組は終始丁寧に描かれていて非常に好感が持てた。ディレクターが「ホスピタルアート」にしっかり寄り添っていることが分かる構成だった。気になったのは、顔のアップが多過ぎたことである。カメラをもう少し引いてカラダ全体から醸し出す優しさを捉えてもよかったのではないかと思う。
*「ホスピタルアート」の発祥が北欧であることがテロップとナレーションで出たが、作品の紹介やその効果など目に見えるものが全く無く、結局番組を見ながら携帯で検索した。ここはしっかり説明に時間を取るべきだったと思う。残念だったのが「高知県」と結びつくものがなく、見た人は今回の放送がどこのものか印象に残っただろうか、と感じた。
*小笠原さんをはじめ登場する人びとの言葉の一つ一つが、どれも温かで、優しく、心のこもったものに感じられた。このドキュメンタリーが心を打つのは、登場する方たちが、相手を思いやりながら、言葉や絵で投げかけをし、それに答えを返し、対話を繰り返しているからだ。こうした良作のドキュメンタリーを自局でどんどん制作していくことが、地域メディアの将来を開くことは確かなので、積極的に挑んでいただければと思う。
次回番組審議会予定
6月番組審議会
日時:令和2年6月17日(水) 15:00~
場所:高知放送本館4F会議室
議題:「バカがおらんとはじまらんよ
~ユキオじいちゃんと廃校水族館~」
5月31日(日)午後4時30分~5時25分
アーカイブ
2023年度(12)
2022年度(11)
2021年度(10)
2020年度(11)
2019年度(11)